
私は次の言葉で常に考えさせられています。
テルツァーギは、1947年10月にボストン土木学会とアメリカ土木学会マサチューセッツ支部の合同会議に提出した論文の序文でコンサルタントについて、次のように述べている。
コンサルタントとは、懸念となっている課題についてクライアントよりも広い知識を持っていると考えられる人物のことである。 技術者が彼自身の広い専門知識と豊かな経験を活かして生計を立てようとするとき、その将来は彼が人生に対してどんな考え方を持っているかによって分かれる。
もし彼が経済的な成功と社会的な威光を欲望するならば、彼は組織の力を利用しなければならない。一旦会社を設立すると彼はその奴隷となる。収入は増えるが、それとともに彼の心配事も増える。
彼は時々、受注業務の処理方法に悩んだり、借入金の超過や給料の支払い賃金に悩んだりして眠れない夜を過ごす。そして、胃かいようになるすべての必要条件を備えるようになる。
こうなっても、彼自身は自分がまだコンサルタントであると信じているかも知れないが、もはや彼は技術屋ではなく、すでに企業経営者に転身してしまっている。 一方、もし彼が技術の琢磨に満足を得るタイプならば、彼は企業経営者になったりせず、すべての努力を自分の専門分野における知識の拡大に傾注するであろう。
コンサルタントとしての職業を成功させるためには、彼は望むと望まないとに関わらず、自分の時間の半分以上を利益保障のない仕事、すなわち手持ちデータの整理や研究に費やさなければならない。しかしその代わり、彼は金に纏(まと)わる心配事に悩まされることは少なく、行動の自由を保ち得る。
私が望む職業はこのタイプである。